FIELD systemは、製造現場での使用を目的としたIoT(Internet of Things)のためのプラットフォームです。
FIELD systemの“FIELD”はFANUC Intelligent Edge Link & Driveを意味しており、“かしこく・つながる・動かす@現場”を実現したいという思いが込められています。
FIELD systemはEdge Heavyの思想に基づき、できるだけ多くのデータをFog以下のレイヤーで処理します。 収集されたユーザデータは、工場内や企業内に保存することを基本としており、お客様のご要望によってはクラウドなど別の場所に保存することもできます。
FIELD専用のクラウドでは、アプリケーション、ライセンス情報、利用者管理情報など、システムの適切な運用に必要な情報のみをやり取りします。
FIELD systemではAPIをオープンにすることで、自由にアプリケーションやコンバータを開発することができます。さらに深層学習を利用したアプリケーションの開発もできます。
アプリケーションは欲しい時にいつでもネットワークからダウンロードできるため、現場に必要なアプリケーションを選んで、容易にシステムをカスタマイズすることができます。
またFIELD system同士は会話をします。これにより、協調したり分散処理したりできるようになります。
FIELD systemは、ファナックの構想の下、Cisco Systems,Inc./Rockwell Automation,Inc./株式会社Preferred Networks/NTTグループ各社と共同で開発した製造業向けIoTシステムです。(敬称略)
インターネットと物をネットワークでつなぐIoTの世界において、物が生み出すデータは、人が生み出すデータとはけた違いに多くなります。これをいちいちクラウドに上げることは、通信量としてもコスト的にも非現実的です。またネットワークの遅延も大きいため、リアルタイム性は期待できません。そこで、現場の機器(エッジ)と、クラウドの中間層であるフォグ、すなわちエッジのすぐ上のレイヤーでより多くのデータを処理する“Edge Heavy”の思想を取り入れました。これにより、より高いリアルタイム性や、インターネットが無くても動く自律性、クラウドの通信コストの削減、データの流出防止など、より多くのメリットが得られます。
FIELD systemは、「何でもクラウドに送信、共有」ではなく、多くのデータが製造現場に近いフォグ以下のレイヤーで処理されます。そのため、クラウドにかけるコストは必要最小限で済みます。FIELD systemでは、エッジ、フォグ、クラウドの3つのレイヤーでのハイブリッドなデータ処理を目指します。
FIELD systemでは、エッジから取得したデータの解析に、深層学習による人工知能を使用することができます。深層学習とは、3層以上のニューラルネットワークを用いて、データから特徴量を自動的に見つけ出すものです。従来の工作機械やロボットは、人が設計したプログラムやルールに従って、ひたすら黙々と正確に仕事をするにとどまっていました。深層学習では、自らルールを学習して自律的に動き、熟練者のスキルを学び、機械同士の協調や動作の最適化、不具合の補完、予防保全など、これまでにない高度な自動化の実現が可能となります。
FIELD systemでは、製造現場に必要なアプリケーションをダウンロードして組み合わせて利用することができます。多くのユーザの多種多様な自動化のご要望にフレキシブルに対応できるよう、容易にカスタマイズできるシステムの実現を目指しています。またネットワーク経由でのアップデートやサポートも可能なシステムとなります。
FIELD systemは世界に開かれたオープンプラットフォームです。様々なセンサメーカ、周辺機器メーカ、アプリケーション開発メーカは、接続のために必要なコンバータやアプリを開発、販売することができます。これにより様々なメーカの機器のデータを、FIELD systemで収集、活用することができるようになります。
FIELD systemはオープンプラットフォームなので、アプリケーションやコンバータを自由に開発することができます。ただ、悪意を持ったアプリや、システムに悪影響を及ぼすアプリが出て来る可能性もあります。そのため、開発されたアプリはファナックにて審査を行った上で、ユーザへ販売されます。ユーザが自分自身のためだけの一般販売しないアプリを作ることもできます。